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顎関節症 について

顎関節症とは?

上顎と下顎を繋ぐ顎関節は、主に口を開けたり閉じたりする際に不可欠な存在です。

口の開け閉めと一言で言っても、それが果たす役割は呼吸、咀嚼、飲食、会話、歌唱、あくびやくしゃみなど、生命維持活動全般は言うまでもなく、人間の社会的・文化的活動や行動のいずれかに関与していると言っても過言ではありません。その顎関節の動作に、大なり小なりの違和感や不具合、痛みや異音など、日常生活の随所で何らかの支障がある状態をまとめて顎関節症と呼びます。

具体的には、指や膝の関節がふとした動作の際にポキポキ音が鳴るのと同じように、口を動かすと耳の横でカクカク音がしたり、あくびやくしゃみで口を大きく開けるのが痛い、開けづらい、時には顎が外れる、または外れそうになったことがある、などの症状が挙げられます。

顎関節症の根本原因は?

顎関節は、上下の連結部が上は凹形、下が凸形で、上のくぼみの部分に下の凸がはまり、上顎と下顎の間にクッションの役割を果たす関節円板が挟まれています。口を開けるとき、下顎と関節円板が少し前に出るため、前後の連結は緩やかで、内側と外側はズレないように強めに繋がっています。

その関節円板が必要以上に前に出てしまい、下顎がさらに前に出て、上顎のくぼみから外れそうになる時に「カクン」「カクカク」と音が鳴るのが、顎関節症でよく知られる音です。この不安定な状態が続くと、関節円板が変形したり、すり減ったり削れたりすることがあります。さらに、下顎の突起が上顎のくぼみにうまくはまらず、引っかかったままだと、口を大きく開けられなくなったり、開けても痛みを伴ったりすることがあります。

異音や痛みがなくても、下顎を支える筋肉が弱くなったり、極端に硬くなったりすることがあります。これにより、咬筋や側頭筋、頬や両サイドのこめかみなど、顎に関連する他の筋肉に痛みや不具合が生じることもあります。

稀なケースでは、関節円板ではなく下顎の先端部分に変形が起こることがあります。これは、高齢の方や顎関節症を長期間患っている方に見られることがあります。

こんなお悩みはありませんか?

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口を開け閉めする時にカクカク音が鳴る、最初は気にならなかったが常に耳元で動くたびに鳴るので段々気になってきた

口を大きく開けられない、開け閉めのたびに痛みがあり、あくびやくしゃみのたびに苦痛で身構えてしまう

顎周りの頬の筋肉や頭部の両サイドが痛んだり、硬さや張り感、凝り固まっていて頭痛や不快感になっている

歯軋りや噛み締め、噛み合わせが悪いなど、歯科や口腔関連で何らかの違和感や不具合がある

寝不足や多忙、人間関係や現在の環境に何らかのストレスを抱えていて、疲れが取れなかったり、どことなく調子がイマイチな状態が続いている

顎関節症に対する当院の考え

知っておくべきこと

顎関節症の要因や施術方法は、かつては噛み合わせや歯並びなどの歯科治療の領域と考えられていましたが、最近では生活習慣から来る行動要因や、忙しさや環境から来るストレスなどの精神的要因が複数絡み合っていると考えられています。そのため、診断や軽減のアプローチも、レントゲン画像診断やマウスピース処方、歯列矯正などは接骨院では行えませんが、他の方面からアプローチを行います。

接骨院で行える施術は、主に外傷要因(ぶつけた・転倒・事故など)で顎周辺の筋肉や関節に負った怪我に対するものです。また、日常生活に潜む行動要因(頬杖をつく、長時間のPCやスマホ操作や運転、スポーツや趣味での不自然な体勢など)から顎関節症が発症する場合、生活習慣や癖を把握し、それぞれに適した対処法やアドバイス、セルフケアの指導を行うことで、症状の軽減が期待できると考えています。

顎関節症はなぜ起こるのか?

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日常生活の何気ない行動や癖、当たり前と思っていることが、意外なストレス源となっていることがあります。無意識に行っているため気づかないこともあるかもしれません。ここでは代表的なものを挙げてみますが、一人ひとりの正解は異なることを前提に考えてみてください。

顎関節症と聞いて、まず思い浮かべるのは、無意識の噛み締めや片方だけの噛み癖、歯ぎしり、爪を噛む癖、固い物や柔らかい物に偏った食生活など、噛みすぎや噛まなすぎが挙げられるでしょう。

また、顎に負担をかける外的要因として、頬杖をつく、顎を膝に乗せて三角座りをする、電話を耳と肩で挟みながら作業をするなどがあります。これらは、マナー上でも敬遠される動作であり、さらに骨格や姿勢を歪める原因にもなりかねないため、速やかに止めるべきです。

そして、長時間の立ち仕事や座り作業、運転など、あらゆる不良姿勢の要因にもなり得ます。これらの動作が続くと、首や頭を前に突き出すような姿勢になり、顎にも負担がかかります。このような体勢が続くと、噛み締めを助長し、無限ループに陥る可能性もあります。

他には、スポーツでの接触や楽器演奏、合唱など、特定の体勢を取ったり、口や喉、手にかかる独特の負荷がある場合もあります。これらの要因も、顎に影響を与えることがあります。

何にせよ、現在の生活環境を見直すことが、症状の軽減に向けての重要な一歩となるでしょう。

顎関節症を放っておくとどうなるのか?

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指や膝の関節がポキポキ鳴るように、顎関節が鳴るだけなら大したことではないと思う方もいるかもしれません。しかし、物理的に耳元で常にカクカク音が鳴り続けることは、やはり極度のストレスがかかる状態であり、正常とは言い難いものです。もしその音に痛みも伴う場合、生活の質に大きな影響を与える可能性があります。

あくびやくしゃみ、食事の度に痛みが生じるだけでなく、会話や歌唱、喜怒哀楽の感情表現にも制限がかかるようになると、趣味や娯楽はもちろん、進路や仕事、日常生活のさまざまな面に支障をきたすことになります。

極端に言えば、今すぐ命に関わることではないとはいえ、食事内容が限られ、偏った食生活を強いられることになります。最終的には食べること自体が億劫になり、他者との会話ややり取りさえも煩わしく感じることになるかもしれません。このような小さなことでも、長期間にわたって積み重なればどのような影響が出るのでしょうか。

口腔内外の衛生状態が保てなくなると、ドライマウスが始まり、口腔内から身体全体の免疫機能の低下が引き起こされる可能性があります。さらに、対人関係に影響が出ると、人との接触を避けるようになり、精神的なストレスが続くことで心身のバランスが崩れることも考えられます。このような状態では、健康を維持することが難しくなりかねません。そのため、痛みの軽減を優先することが重要であると言えるでしょう。

顎関節症に効果的な当院の施術メニューは?

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顎周辺や頭蓋骨に直接アプローチをかけるメニューとしては、極上ドライヘッド、ドライヘッド矯正、頚椎特化などが有効であると言えます。噛み締めや歯軋り、頭痛の症状がある方は、頭皮や頸周りの筋肉が硬くなっている場合が多いため、これらの施術は欠かせません。

また、顎関節に直接ではなく間接的に関連がある首や肩周りを含む全身の骨格矯正も、首や顎周りの歪みや硬さを軽減し、余分な負担を取り除ける可能性があります。

さらに、硬さだけでなく、睡眠時間や体調にばらつきがありコンディションが不安定な方には、鍼を使って血流を促進し、自律神経を整える施術もおすすめです。

これらの施術と併せて、肩や首、背中周りに電気をかけたり、首肩周りを集中的にストレッチできる猫背矯正メニューを行うことも、有効な組み合わせとなります。

その施術を受けるとどう楽になるの?

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顎関節症に加え、噛み締めや頭痛も併発している方は、ドライヘッドメニューで頭蓋骨の歪みや頭皮の硬さを取るだけでも、重さが減り、関節の動きが少しずつスムーズになる方もいらっしゃいます。

頸の歪みだけでなく、骨盤や背中、肩からの左右差や僅かなズレが、巡り巡って症状を引き起こしている場合もあります。これらを本来の位置に戻すことで、頸や頭部の位置が正常になり、顎にかかる負担もなくなるため、骨格矯正や頚椎特化メニューも有効と考えられます。

鍼は、直接的にも間接的にも筋肉や関節周りの硬さを取るとともに、自律神経の乱れを徐々に整え、リセットする効果が期待できます。これにより、身体の緊張が緩和され、症状の軽減にも繋がる可能性があります。

電気やストレッチも、顎関節に直接ではなくても、背中や肩、首周りの関連筋肉を適度に刺激して血流を促し、リラックスさせることで施術効果を後押しするため、試す価値があると言えます。

顎関節症を軽減するために必要な施術頻度は?

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やはり毎日の生活に関わることなので、可能な限り日々欠かさず繰り返し施術を受けることが望ましいですが、実際に毎日通える方はそう多くはありません。それでも、そのくらいの気構えでいていただきたいというのが本音です。

実際のところ、私生活やお仕事、ご家庭との兼ね合いを調整しながら、週2〜3回、週1回、月に2〜3回と来院頻度は本当に人それぞれです。

来院時の施術ももちろん重要ですが、それ以外の時間に、症状の軽減と再発防止のために、日常生活で問題となる点をどう変えて行動・実行できるかが最終的には重要です。

院での施術メニューとご自身でできるセルフケア、それに伴う生活や意識の変化が合わさって施術となります。気になる症状がある方は、まずは足を運んでみてください。