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ストレートネックについて

ストレートネックとは?

ストレートネックは、そのまま直訳すると首がまっすぐな状態を指します。一見すると悪い状態ではないように思われるかもしれませんが、首の本来の状態はやや前方に緩やかにカーブしています。そのカーブこそが、約10㎏近くにもなる頭部全体の重さを支えるクッションの役割を担っているのです。このクッションがなくなると、頭の重さを身体の中心および身体全体で最小限の負担で支えていたバランスが崩れ、ほとんどの場合、首の筋肉のみで不安定な状態で支えなければならないことを意味します。
要するに、10㎏前後の重量を全身で支えていたものが、いきなり腕1本で支えることになると考えれば、首にかかる負担がどれほど大きいか、想像しやすいのではないでしょうか。

ストレートネックの根本原因は?

ストレートネックは、ほとんどの場合後天性、すなわち長年の生活習慣や日頃の癖による動作の繰り返しが原因と考えられています。先天性、つまり生まれつきの変形ではないとは言え、これだけ多くの人に認知されているのは、それだけ同じ状況に陥る人が増えていることを意味しており、由々しき事態であることは間違いありません。

ストレートネックの症状は、最初は首から肩、背中周りの筋肉を無意識に、そして頻繁に前方または下方に向ける動作を繰り返し行うことから始まります。スマホ操作、デスクワーク、運転に加え、家事や育児、畑仕事など、現代に限った事ばかりではありません。その筋肉が前のめりの動作をしていても、初期の段階では骨格がまだ首のカーブの形を覚えており、ズレた筋肉の位置を修正してくれます。しかし、筋肉の動作がその修正を上回ると、今度は骨格が筋肉に引っ張られて前方下方にズレたまま元の位置に戻れなくなり、カーブのない状態で変形して固定されてしまいます。

これは、猫背や円背などの変形でも似たようなプロセスを辿ることが多いため、注意が必要です。

こんなお悩みはありませんか?

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スマホや携帯ゲームに熱中しがちだが、長時間続けると目の疲れ、首の痛み、頭痛、身体のだるさが感じられる。
長年のデスクワークで集中力が続かず、首、肩、背中が張り、身体全体が凝っている。
長時間運転すると背中や腰が固まり、休憩なしでは無理が効かなくなっている。
子育てや家事で下を向くことが多く、頭の重さが首、肩、背中、腰に響く。
畑仕事や草むしりで姿勢が悪くなり、首が前に出て、まっすぐ伸ばすと痛みを感じる。

ストレートネックに対する当院の考え

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ストレートネックやスマホ首と言われたことをきっかけに、施術院を訪れる方が増えており、施術に対する意識や価値観も変わってきているように感じています。総合病院のように大がかりな検査や高度な外科手術を行える施設に比べ、接骨院でできることには限りがありますが、状態がまだ軽度かつ初期であれば、患者様それぞれのお身体や生活への負担を極力最小限にし、痛みや症状の軽減、そして再発予防ができる可能性は高いと考えています。怪我でも病気でも、早期のうちに対処することが重要なのはいつの時代も同じです。

問題は、すでにストレートネックの症状が骨格レベルの変形まで進んでしまっている場合です。筋肉でさえ、拘縮や硬直が進むと元のしなやかに伸縮する状態に戻すのは難しく、骨そのものがズレて変形してしまうと、元の位置や形に戻すのは非常に困難です。それでも実際に首や背中が丸まっている方でも、根気よく施術を続けることで、完全に元の形には戻らなくとも、それ以上の悪化を防ぎ、痛みを大幅に軽減できている例は多数あります。遅かれ早かれ、まずは施術を始めることを検討していただければと考えています。

ストレートネックはなぜ起こるのか?

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症状や概要の解説で既に記述していることが多いですが、改めて代表的な要因を挙げていきます。

①ディスプレイ画面の見過ぎ。現代生活の必須ツールであるパソコンとスマホは、仕事や娯楽のみならず、通信や情報収集、果ては各種支払いや公的な手続きなど、もはや生活の生命線と言える存在です。これらのツールを使用する際、デスクワークや学業の座学などに集中すると、自然と頭と首が前に出て、やがてその姿勢が固定化してしまうことがあります。

②座りっぱなしや立ちっぱなし、忙しくて運動不足に陥ることによる筋力不足。身体の骨格を支えるのは筋肉であり、その筋肉が不足すれば、身体を支える力が弱まり、良い姿勢を保つことができません。腰や背中、肩が丸まると、首の位置も前に移動し、最も重い頭部を最適なバランスで支えられなくなり、身体の各所に不調を引き起こすことがあります。

③家事や子育て、畑仕事など、昔から続いている日常的な動作の中で、「上を向く」動作が圧倒的に少ないことにお気づきでしょうか?もちろん、洗濯物を干したり棚の上のものを取るなど、全くないわけではありませんが、意識しないと、下を向きっぱなしの動作が多く、そのまま固まって変形が進行し、元に戻れなくなることがあるかもしれません。

ストレートネックを放っておくとどうなるのか?

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症状が悪化すると、見た目にも変形したままで元に戻ることが難しくなります。頭と首が前に出たままで、上を見ることすら困難になります。そのような場合、首から下の姿勢が良いことはほとんどなく、背中や腰も丸まっており、見栄えが良いとは言えない状態です。そして、厄介なのは外見だけではありません。

首に必要以上の負荷が常にかかることにより、最も深刻な影響として考えられるのは、脊椎症や頚椎症といった状態です。これにより、首や背骨の内部を通る手足の動作や感覚を司る神経が圧迫され、手足のしびれから始まり、悪化すれば麻痺が進行する可能性があります。生活そのものが困難になることも考えられます。交通事故などの大きな衝撃を受けたわけではないため、「大袈裟だ」と思われるかもしれません。しかし、四六時中首と頭に重りをつけて生活していると考えれば、かかる負担は容易に想像できるのではないでしょうか?

「真綿で首を絞められている」という表現はあくまで比喩ですが、実際に首に常に何か重いものがまとわりついて呼吸がしづらくなれば、それは酸欠状態と同じです。脳に酸素が行き渡らなくなれば、身体のどこかに麻痺が現れる可能性も考えなければなりません。

ストレートネックに効果的な当院の施術メニューは?

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まずは首周りの筋肉の硬さに対するアプローチとして、保険施術の範囲でできる基本的な指圧のほか、鍼施術や電気施術で筋肉を刺激し、柔軟性を復活させる方法が考えられます。さらに、猫背矯正ストレッチもおすすめです。

首周りの筋肉をある程度柔らかくできたら、今度は骨格へのアプローチを行います。骨格は首だけでなく、足元から足首・膝・腰・骨盤・背骨・肩など、どこかしらのバランスが崩れれば全身に影響が出るため、全身骨格矯正をまずは推進しています。全身を整えつつ、より首に特化した矯正メニューとしてドライヘッド矯正と頚椎特化を提案することが多いです。

考えうる限りの施術メニューを行うほか、そもそもストレートネックに至った生活背景がどのようなものか、それらをいかに軽減していくかも重要な課題となります。

その施術を受けるとどう楽になるの?

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指圧、電気施術、鍼施術、ストレッチなどで首周りをはじめ、肩や背中、腰に至るまで固く張り詰めているであろう筋肉をできるだけ伸ばして緩め、リラックスした状態へと促します。電気や鍼の種類によっては、痛み除去に特化したモードや、不定愁訴や自律神経の乱れに働きかけるタイプのものもあります。時間はかかりますが、続けていけば何かしらの変化が現れることが期待できます。

また、筋肉に引っ張られてじわじわとズレてしまっている首周りの骨格をリセットするために、ドライヘッド矯正や頚椎特化で頭と首の骨を、より本来の位置に近づけます。さらに骨格を整えるなら土台から、足元から膝、骨盤、腰、背中と全身を調整した直後には、体感や身長がガラリと変わる方もいらっしゃいます。

どの施術メニューもそれぞれ特徴や好み、相性があるため、いろいろ試してご自身に合ったものを組み合わせてみてください。

ストレートネックを軽減するために必要な施術頻度は?

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理想を言えば毎日通院することが望ましいですが、実際には毎日通院できる方は少ないでしょう。私生活との兼ね合いで無理なく通院する例としては、週に2、3回、難しい方は週1回〜10日に1回くらいなど、通院できる頻度は個々人で様々なため、一概には断言できません。

施術を受ける時間は1日の中ではごくわずかでしかありません。大事なのは、それ以外の時間にいかに今後の身体のために再発予防や悪化防止に向けて行動や生活習慣を見直し、変えることができるかです。自宅でできるストレッチや筋トレなどのセルフケア、鏡やガラスに映る自分の姿勢を意識してチェックするよう心掛けることが大切です。また、食生活や睡眠時間に問題がないか確認し、問題があればどこから変えていけるかを考え実行することも重要です。施術と並行してご自身でできることを考え、実行していくことが、さらにお身体を良くする後押しになります。まずは施術院に足を運んでみてください。