めまい
めまいとは?
一言でめまいと言ってもその症状はごく軽度なものから生活に支障を来たすレベルの重症なものまで幅広く、原因もまた多岐に渡るため、初見で判断を下すのが難しいと言われています。
主な自覚症状としては「目が回り気持ち悪くなる」「ふらふらして真っ直ぐ立てない」「目がくらんで眩しい、チカチカする」などがあり、乗り物酔いや二日酔い、または熱中症や貧血などでもこれらに近い経験をされた方は多いのではないでしょうか?
今回は、上記のように「一過性で原因が明確で、比較的すぐに治まるものではない」めまいについて解説していきます。
めまいの根本原因は?
「一過性かつ原因が明確なもの」を除いためまい症状で考えられる他の原因とはどんなものがあるでしょうか?
めまいの表現でよくある「目が回る」「立ちくらみ」は平衡感覚が何らかの要因で乱れている状態を示唆しており、一般的に代表的なものを挙げると以下のようなものが考えられます。
・主にバランス感覚を司る三半規管、耳周りの機能や働きに異常が現れている。
・反射や運動機能など、身体動作に命令を下す司令塔である脳のどこかに問題が生じている。
・体内時計やホルモン調節など、身体のあらゆる微調整を行なっている自律神経の働きに支障が出ている。
・運動不足や不規則かつ乱れた生活習慣などの外的要因で筋肉や血管が圧迫され、循環を阻害している。
といったものが考えられます。
こんなお悩みはありませんか?
立ちくらみやふらつきだけではなく頭痛を伴う時がある、もしくは頭痛の発生と前後して症状が出るため、ほぼ頭痛とセットと言えるかもしれない
乗り物酔いの時のような嘔吐感、吐き気、気持ち悪さを伴ってしんどい、薬の服用等で対処してもいつも効くとは限らない
耳鳴りや聴こえ方の左右差、難聴のように音が遠かったり、くぐもっていたり、反響したりと、とにかく通常ではあり得ない聴覚周りの不具合が現れている
光そのものが眩しく感じたり、目を開けているのが辛かったり、目が霞み視界が不明瞭になったり、場合によっては意識を保つのが困難なこともある
大なり小なり自身や周りの環境に変化が生じてそれに慣れてない、順応出来ずに疲労感やストレスを伴い生活が乱れたり、体調に様々な不定愁訴が現れている
めまい に対する当院の考え
前提として、各種検査や薬、脳外科や耳鼻科などの専門的な対処を必要とする場合は、まず先にそちらで診断や服薬、手術など接骨院ではできないことをあらかた済ませた後の経過観察やケアを目的として通院するか、それらの施術と並行しつつ担当の主治医の許可や協力を得て同時進行で接骨院でも可能な施術メニューを受けていただくのが一番現実的な落としどころかと思われます。
あるいは、そこまで深刻化する前の段階…病名や診断がつく程ではないものの断続的に体調不良や不定愁訴を自覚していたり、慢性的な疲労やストレスが続いている段階であれば、専門の施術とはまた違った難しさはあるものの、食生活の見直しや運動、ストレッチなど日常生活を見直したり、その中でできることを実行継続することで症状軽減のきっかけになるのではないかと考えております。
めまい はなぜ起こるのか?
乗り物酔いや熱中症等の一時的な要因ではなく、身体の機能の何らかの問題で起こるめまいの主だった理由を、大きく分けると
1.耳鼻科由来
2.脳関連由来
3.それ以外
で分けることができます。とはいえ、この3つはそれぞれ複雑に作用し合い、厳密には切り離すことは難しく、実際のめまいも複数の要因が絡み合っていることの方が多いかもしれません。
1.耳の内部は、聴こえの機能だけでなく、三半規管などの平衡感覚やバランス感覚を正常に保つための重要な場所であると同時に、とても繊細です。ごく短時間でも慣れない乗り物や遊具、水平がわずかに傾いた空間で酔う例でも分かる通り、無自覚に疲労やストレスに晒されるだけでもめまいの要因になり得ます。
2.脳もまた、身体を動かす上で言うまでもなく重要かつ繊細で、小さな血管が詰まったり酸素供給が滞るだけで、めまいで済むどころではない一大事になってもおかしくないため注意が必要です。
3.それ以外の代表例としては、脳に次いで最も血管が集まる部位である首周りの血管圧迫や筋肉の硬さを始めとした循環の妨げ、運動・食事・睡眠のどれかに起因する生活習慣の乱れが挙げられます。これらが耳鼻科由来や脳関連由来の異常をもたらすきっかけになることもあります。
めまい を放っておくとどうなるのか?
耳鼻科由来のめまい疾患で施術が難しいとされる例の一つにメニエール病があります。内耳と呼ばれる耳の奥でリンパ液が溜まり、排出や循環が阻害されることで発症します。原因は先天的なものから突発的なものまで様々ですが、やはり過度のストレスや疲労で生活習慣やホルモンバランスが乱れることが外的要因として大きいと考えられており、薬だけでなく生活の見直しが必要なのは明らかです。
脳由来のめまいは脳梗塞やくも膜下出血などの脳血管系疾患の前兆の一つにも挙げられ、検査や処置が適切でない場合は命に関わるか、深刻な後遺症が残るなど判断ミスが命取りになる例も少なくありません。
どちら由来であってもその事態に陥るまでの過程は突然ではなく、そこに至るまでの生活習慣に何かしらの原因があるため、常日頃から備えて気を付けておくことが重要になってくるわけです。
めまい に効果的な当院の施術メニューは?
疲労やストレス過多の人は睡眠にも影響し、自律神経の働きが乱れがちです。そのような人には鍼のメニューをおすすめしています。
鍼の刺激が苦手な人には、耳・脳・首すべての関連部位に最も近い箇所のメニューとしてドライヘッドが適していると思われます。めまいだけでなく、頭痛や眼精疲労の軽減にもなるため、受けておいて損はありません。
血管が圧迫されたり、筋肉が不自然に固くなる主な要因は、運動不足や長時間同一姿勢になりがちな現代の生活スタイルにあります。解決の糸口としての第一歩がストレッチのメニューです。
その施術を受けるとどう楽になるの?
鍼はその場では分からなくても、続けることで身体が軽くなったり、徐々に寝つきが良くなることで回復しやすくなったり、免疫力も高まるなど、最終的に乱れがちだった自律神経の働きを正常化させ、身体本来の底力を発揮しやすくすることが期待できます。
極上ドライヘッドまたはドライヘッド矯正は、どちらも頭皮全体や耳周りの側頭筋を緩めることで、むくみや締めつけの偏りを均等に整え、頭皮全体のリンパや血流をスムーズにします。これにより視界がスッキリするほか、首の両脇の筋肉にもアプローチして頭痛や頭重感の軽減が期待できます。結果的に、首から上の部位すべての循環を妨げなくなります。
ストレッチは、主に首から下の肩・背中・腰・手足各所の関節や筋肉の可動域や硬さを見ながら、呼吸と共に徐々に伸ばしていきます。これにより、身体全体の血流が良くなり循環が促され、溜まった老廃物や疲労物質を排出しやすくしていきます。
めまい を軽減するために必要な施術頻度は?
こればかりは「人により個人差がある」としか言いようがありませんが、施術を始めた直後に限って言えば、極力間隔を空けずに継続することが理想です。
私生活との兼ね合いもあるので毎日は難しいかもしれませんが、曜日をある程度固定して週2〜3回ほど通っていただき、施術後と次回の来院までの間にどのような体調や症状変化があるかをチェックします。そして、院での施術以外にご自身でできるセルフケアを兼ねた筋トレやストレッチを実践したり、ストレス源や生活習慣の見直しも並行して行います。
症状が安定してきたら平均週1ペースに統一して様子を見つつ、経過が良ければ徐々に間隔を空けていき、最終的にセルフケアのみで問題ないところまで軽減が期待できれば、ほぼ卒業と見なして良いかと思われます。